無邪気な恋人

“人里離れた場所で寂しく暮らす二十四歳の女性です。
インターネットを通じて、すてきな男性と知り合いました。
すぐに彼のところへ飛んでいきたいのですが、せっかちすぎるでしょうか? アドバイスをください”“なぜ思いきって彼に会ってみないの?幸せは、それを心から願う人に訪れるものよ”人生相談の回答に後押しされて、アニーは大都会へと旅立った。
牧場育ちの田舎娘でも、この恋だけは逃がさないわ。
ああ、ついに夢の男性とデートするのよ!「妹のためにシチリアに帰ってきてほしい」別居中の夫リコの言葉に、スターシャは唖然とした。
事故にあった彼の妹が、病床でスターシャを呼んでいるという。
スターシャは蜜月を過ごしたシチリアへ舞い戻った。
だが、彼との再会で思い知らされたのは二人の溝の深さだった。
尊大で冷酷なリコの性格は少しも変わっていない。
スターシャを惹きつけてやまない、あの魅惑的な瞳も。
どうして私を信じてくれなかったの?誤解されたままのあの出来事が彼女の脳裏によみがえってきた。
かつて、アフリカで内乱に巻き込まれたサミュエルは、人に触れられると激しい嫌悪と恐怖を感じるというトラウマ心の傷に今も深く悩まされていた。
彼の望みはただ一つ、学者として研究に没頭することだった。
女性に触れることもなく……。
ある日、彼は幽霊が出るという噂の宿を訪れ、宿に着くなり、誰かの手が体に触れるのを感じた。
だが、そばには誰もいない。
幽霊にも、この不思議な感触にも、何かからくりがあるはずだ。
サミュエルは探るようにあたりを見まわした。
伯爵令嬢オクタヴィアは伯母からロンドン郊外の屋敷を相続した。
初めて自分の家を手にした彼女はうかれた気分で早速、屋敷を見に出かけていった。
しかしそこにはすでに先客がおり、オクタヴィアはけたたましい少女たちの声に迎えられた。
声の主は富豪エドワード・バラクラフの二人の小さな姪だった。
彼女たちの世話に手をやいていた彼は、オクタヴィアのことを職を求めてやってきた家庭教師だと思いこみ、せきたてるように彼女を家の中へ引き入れた。
キャサリンは自分を救ってくれたクリスチャン・デュモンの城に身を寄せていた。
城の練武場では騎士たちが剣の稽古に励んでいる。
そしてうら若い令嬢が息をひそめてその様子を見守っている。
令嬢たちは城主の弟であるジェフリーの花嫁候補に名乗りを上げようと、精いっぱい着飾っていた。
だが、キャサリンは独り、気持ちが沈んでいた。
大好きなジェフリーが結婚してしまう……。
それだけではない、彼を見るのもこれが最後かもしれない。
そう思うと、寂しくてしかたなかった。
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